4. 遠赤外線ヒーターの種類と形状

技術資料に戻る

 
 

遠赤外ヒーターは加熱方法やワークの形状等を勘案してヒーターの形状を選定したほうが効率良く加熱できる。生産方法として瓶のラベル貼りやヒーターを移動させるオープンでの使用と炉内加熱がある。炉内加熱でも連続搬送炉、タクト運転炉、固定炉等がある。

1.遠赤外線ストレートヒーター

連続運転炉で主として使用されている低コストヒーターである。反射板と共に設置される。
長さ、電圧、W数は自由に製作でき、1本から受注できる。またU字M字渦巻型等異型にも加工できるメリットがある。標準品の容量は 4W/c㎡以下である。

2.遠赤外線パネル型クリーンヒーター

前後処理の関係で加熱炉内部がタクト運転になる場合、温度分布の関係で使用される。
炉内左右と中央の温度分布も個々のヒーターにセンサーを付け、表面温度を変えることにより均一になる。
クリーン度が高く特にクリーンルームでの加熱炉(ガラス基板・フイルム基板・セラミック基板・金属基板等)に多く採用されている。
容量は2W/c㎡であり、サイズは300×400、200×400、100×400mmの生産が多い。

3.遠赤外線セラミックヒーター

熱伝導率の悪いフイルム加熱や精密な温度分布が必要な被加熱物、あるいは小型部品にはセラミックヒーターが使用される。
形状とサイズは各2種類、色は白色と黒色の2種類がある。
ヒーター表面の色は遠赤外放射素子固有の色であり、放射率には殆ど差異はない。
形状としてセラミックの内部に発熱線が埋め込まれ一体化されているヒーター(R・F型)と内部に空間を設け、空気断熱層を持ち前面に熱が放射する中空型ヒーター(N型)がある。
前者は加熱炉に使用され、後者はラベル貼りやシュリンク等オープンでの加熱に使用される。
サイズはR型が65×125mm(300,400W)、F型とN型は65×125mm(300,400W)と122×122mm(400,600W)の2種類がある。

4.遠赤外線薄型スペースヒーター

精密機器の収容箱の保温、寒冷地における機器の凍結防止、ユニット機器のように取り付け場所に余裕のない場合に便利である。
また、医療器・美容器にも使用されている。
サイズは300×400mm以下、容量は2W/c㎡以下で自由に設計できる。