4.遠赤外線は物質の内部から加熱するから速く処理できるというのは本当でしょうか。

遠赤外線は物体の中まで深く浸透しません。物体表面の0.1mm程度のごく薄い層でほとんど吸収されます。
その吸収熱量は非常に大きく物体内部へ熱流となって伝達されます。そのエネルギーはヒーター温度が一定なのでほとんど同量で物体を加熱します。つまり内部と表面とがほとんど同じ温度になると共に温度上昇が速くなります。
ヒーター温度は物体の目的温度よりかなり高くするのが普通です。放射加熱の場合、熱源(ヒーター)温度の4乗と物体温度の4乗の差で熱流が決まるからです。
熱風炉(対流炉)は物体と熱源が接触するため、熱源温度は目的温度以上に上げられず加熱が進むにつれ内部への熱流は低下していきます。熱流は熱源の温度と物体の温度との差で決まるからです。そのため加熱時間がかかることになります。