25.遠赤外線放射源には何がありますか。遠赤を良く反射する物はなんですか。

遠赤外線放射源として放射率の良い物質を選択するのは当然であるが、発熱体として使用するのであるから 耐熱性・耐熱衝撃性(耐サーマルショック)・機械的強度・寿命の検討が重要であります。
高温耐熱800℃以上で放射率が良く、耐熱性があり、サーマルショックに強い物体は酸化物や炭化物になります。
全放射率が0.7以上の物は酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、ジルコン、酸化バナジウム、酸化イットリウムや炭化クロム、炭化モリブデン、炭化ケイ素、炭化イットリウム等になります。
3μ以上の領域で放射率をよくするためこれらの物質の混合あるいは固溶体等で発熱体を作成します。
しかしセラミック材料は固有抵抗が大きく抵抗発熱など直接電気エネルギーを熱エネルギーに変換することはできません。
そこで別の熱源で遠赤外線放射体を加熱し遠赤外線ヒーターとします。
この遠赤外線放射発熱体を加熱炉で使用する場合、効率化を計ろうとして炉壁も同物質や遠赤外放射の良い物質を使用する場合があります。
これは発熱体からの遠赤放射を炉壁が吸収し、加温されそこから2次的に放射されるのを目的としたものです。
しかし炉壁は発熱体と比べ温度的に被加熱物を加熱するほど昇温しません。
考えすぎで実際には反射率の良い物質を炉壁とし、発熱体の熱を効率良く炉内に反射したほうが良い結果となります。
反射率の良いものにアルミニウム、鉄、ステンレス、金等があります。
耐熱性、価格からステンレスの炉壁が一般的になります。