20.遠赤外線はいつから利用され始めたのですか。その歴史を知りたいと思います。

赤外加熱を最初に工業的に使用したのはアメリカフォード社であったといわれています。
1938年に赤外線電球(近赤外線)による塗装焼き付けをはじめました。まだ最近の事といっても過言ではありません。
ヨーロッパではフランスのルノーやプジョーも赤外線ランプによる加熱方式を採用しました。
戦後まもなく日本にも導入され、約10年間にわたって赤外放射源、測定方法、利用方法など各分野で研究され実用技術として定着しました。
同時に加熱源の生産も始まり、塗装乾燥だけでなく加熱にもよく利用されてきましたが最近ではほとんど見られなくなりました。
1960年代になって、石英管ヒーター(中赤外線)が実用化され現在も使用されています。
1960年代に日本では遠赤外線の知名度が全くない時に遠赤外線ヒーターと称し販売開始したアメリカインディアナ州の会社がありました。
しかし輸入販売契約する寸前に日本でドライクイック(Dri Quik)が商標登録されていることが判明しキャンセルとなりました。
そこでシーズヒーターに遠赤放射セラミックを溶射することにより同様な効果が得られることが分かり製造販売を始めました。
東京オリンピックころからテレビの需要が大きく伸びブラウン管や本体への遠赤外線加熱の効果が認められ、さらに高度成長期に入ると三種の神器(テレビ・せんたく機・冷蔵庫)の大量生産に遠赤外加熱はおおいに貢献しました。
1970年代に入るといろいろな業界で使用され始め、1980年代になると加熱技術の開発が活発に行われ加熱源メーカーも多く見られるようになりました。
加熱処理が短時間で行われることから生産量Upあるいは設置面積の短小化、自動化を目的として、自動車の塗装から始まり、自動車の各部品塗装、家電品、木工品と用途は広がりましたが主に塗装関係でした。
それは赤外加熱が普及するにつれこれに適したメラミン樹脂塗料が開発され、塗膜表面硬度が高く美しい塗装が可能になったことから特に金属製品の塗装すなわち自動車関連や家電関連に多く使用されました。
その後カメラ、フイルム、紙製品、ゴム製品、プラスチック等と加熱や乾燥するものに広がりました。
そして温度分布の均一性が評価され、基板のリフロー、各種製品のアニール、ガラス基板の洗浄後の乾燥にも使用され始めました。
最近では多くのものがクリーンルームで生産されるようになり、クリーン加熱には最適な遠赤外線加熱が活発に利用されています。