15.分光放射率の測定はどうするのでしょうか。

遠赤外線ヒーターの効果を確認する方法の内の一つに波長毎の放射率を測定することは可能であります。
これを分光放射率といい測定方法はJIS R 1801に規定されています。
測定器はフーリエ変換赤外分光装置で略してFTIR装置といいます。
大型で高価なため多くは公的機関に設置されています。
原理は光の干渉波形を空間や時間の関数として計測し、フーリエ変換することによりスペクトルを得る装置です。
現在ではFTIRでの分光放射率測定が主流となっています。
得られるグラフは横軸が振動数(波長)で縦軸は1(黒体)から0となっています。
各波長で1に近ければ近いほど黒体並みの放射率ということになります。
ただこれは各波長毎の黒体との比率であり遠赤外域の放射エネルギーの測定ではないことに注意してください。
測定で難しいのは 光源である黒体炉の温度と試料の表面温度を正確に測定することです。
かなりの技術と慣れが必要で測定する人や、測定機関により違った結果が出ることも多々あります。